健康豆知識

秋の花粉症

秋の花粉症

9月〜10月にかけての秋は、イネ科や、雑草類(ブタクサ、ヨモギ)などの花粉が飛散する時期です。この花粉が原因でアレルギー性鼻炎などを引き起こす花粉症は、スギ、ヒノキ花粉の飛散時期である春についで秋に多く発症するといわれています。

症状が出るしくみ

人の体には、花粉などの異物(抗原)が入ってくると、その抗原を排除するために、抗原を攻撃する抗体を作ります。特にアレルギーに密接に関係する抗体が、IgE抗体です。一度できたIgE抗体が人の粘膜表面にある肥満細胞に付着し、再び同じ抗原が入ってくると、肥満 細胞上に付着した、IgE抗体と抗原が反応(抗原抗体反応)し、肥満細胞からヒスタミンという物質を放出します。このヒスタミンが、くしゃみ、かゆみなどの症状を引き起こすといわれています。

検査方法

アレルギー性疾患には、血液中にIgEが増加することから、検査方法として総IgE濃度を調べる方法と、特定の抗原(アレルゲン)で増加するIgE抗体量を調べる方法があります。それぞれを調べることにより、アレルギー異常とアレルギーの原因物質を突き止めることができます。その他にも、アレルゲンと思われるエキスを直接皮膚に注射、および垂らしたり、貼り付けたりして、腫れや発赤を調べる皮膚反応テストなどがあります。

秋の花粉症原因植物一覧
カナムグラ 【金葎・葎草】

クワ科の一年草。人家近くに生える雑草で、茎は他物に絡みつき、茎と葉柄に逆向きの小さい棘があります。そのため、鎌などで刈り取ろうとすると、服や肌に逆らうことになり、農作業では嫌われ者の植物です。

カナムグラ
ヨモギ 【蓬】

山野に自生するキク科の多年草です。夏の終わりから秋にかけて1m程度に伸び、葉は羽状に分裂し、裏面に白毛があります。葉には香気があり、若葉を餅に入れ、成長した葉は灸の「もぐさ」とされます。ヨモギという名称は、「よく燃える草」という意味であるとの説があります。

ヨモギ
ブタクサ 【豚草】

道端、空き地、田畑の畦など、どこにでも見られる1年草です。原産は北アメリカで、明治初期に日本に入ってきました。ブタクサの花粉は風でよく飛散し、花粉症の原因植物としてよく知られるようになってきました。

ブタクサ

花粉の飛ぶ植物が生えている野原や草むら、空き地、山などには極力行かないようにしよう。
とくに風の強い、晴れた日は要注意!気温が高い日や乾燥している日、前日が雨の日も危険です。
ただし、雨の日は花粉が飛びにくいです。