健康豆知識

大切な歯の役割

大切な歯の役割

きちんとお手入れされた美しい歯は、私たちの表情を豊かにし、笑顔にいっそうの輝きを与えてくれます。 自分の歯で、一生おいしく食べる。臆することなく、心から笑う。そんな心身ともに、健康で充実した毎日を送るために、歯のことを、いま一度考えてみませんか。

1本でもなくなると、さまざまな弊害が。

歯は、たった1本失われても、正常な働きができません。たとえば、大臼歯(奥歯)が1本なくなっただけで、ものをかみくだく能率は約40%も低下するといわれています。 このため、消化器官に負担がかかり、栄養の吸収が悪くなるという悪循環が生まれます。 また、上の前歯が抜けるとサ行、奥歯が抜けるとハ行、ラ行が発音しにくくなって、言葉が不明瞭になったり、顔の輪郭が変わって、表情が老けて見えたりします。 このように、健康な歯は、健康なからだを支え、私たちに快適な暮らしをもたらします。大切な歯を守る正しいケアを、始めましょう。

歯垢は細菌のかたまり。むし歯や歯周病の原因に。

歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉のさかいめなどをよく見ると、白いものがついていませんか。それが「歯垢」です。  歯垢は、口の中で繁殖した細菌が、水にとけにくいネバネバした物質とともに、歯に付着してできた汚れで、いわば細菌のかたまり(バイオフィルム)。わずか1gの1000分の1の歯垢に、1億個以上の細菌が生息しています。  歯垢は、ネバネバした物質と一緒に、歯に強固に付着しているため、口をゆすぐだけでは取り除くことができません。ハブラシを使って、ていねいにみがくことが必要です。歯垢が落としきれず、蓄積すると、口臭やむし歯、歯周病などの原因となってしまいます。

歯石は、歯みがきだけでは取れません。

たまった歯垢をそのままにしておくと、だ液中のカルシウムやリンと結びついて石灰化し、やがて「歯石」となります。これも、歯周病など、歯肉の病気の原因となります。 また、歯石の表面はザラザラしているので、その上にさらに歯垢がつきやすくなります。歯石は歯垢とちがい、歯をみがくだけでは落とせません。歯石予防には、歯垢のうちに確実に落とすことが大切です。 もし歯石がついてしまったら、早めに歯科医院へ。 日頃から定期的に検診を受けて、歯石をチェックしてもらうといいでしょう。

歯の黄ばみは飲食物による着色が原因

紅茶やコーヒーなどの飲食物やタバコのヤニによる着色も、歯が黄ばんで見える大きな原因のひとつです。もっとも着色が残りやすいのは、紅茶や緑茶、烏龍茶などのリーフティー、赤ワインだといわれています。 これらに含まれる渋み成分(タンニン)は、カルシウムや鉄などの金属イオンと結びつきやすく、いったん歯の表面に沈着すると、なかなかとれないという性質があります。 こうした着色を防ぐには、「リンゴ酸」が配合されている歯磨き粉をお勧めします。 タンニンなどの着色物質と金属イオンの結びつきをゆるめて、黄ばみを落としやすくする働きがあります。また、タバコのヤニを落としやすくする「ポリエチレングリコール」も配合されている歯磨き粉をお勧めします。

年に1〜2回は歯科医院で検診を

歯の健康のためには、日ごろからフッ素入りハミガキを使って、ていねいに歯をみがくこと、そして、かかりつけの歯科医院で定期的に検診を受けることが大切です。 治療などの必要がなくても、少なくとも1年に1〜2回はかかりつけの歯科医院を受診するように習慣づけましょう。口の中をチェックしてもらったり、歯みがきでは落とせない歯石や着色汚れなども落としてもらったりすれば、むし歯や歯周病の予防にも効果的です。 家庭でのケアと、歯科医院での定期的なケアを上手に組み合わせて、いつまでも健康な歯を守りましょう。

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