夏!子供達にとってそれは開放感を満喫できる素晴らしい季節です。太陽の輝きは、戸外での活動をより楽しくしてくれます。しかし、これに「待った」をかけるのが、夏特有の病気です。 プール熱(咽頭結膜熱)・ヘルパンギーナ(夏風邪))・熱中症(日射病)・水イボ(伝染性軟属腫)・トビヒ(伝染性膿カ疹)・食中毒・ギョウ虫症等々があります。
プール熱(咽頭結膜熱)
症状としてはノドが痛み、目が赤くなります。アデノウイルスが原因で発症し、頚部リンパ腺が腫れ、発熱のために元気が無くなり、時に、しわがれ声になり、筋肉の痛みを訴えることもあります。プールで伝染し、集団発生をすることがあり、ここから「プール熱」と呼ばれるようになりました。幼稚園児や小学生に多い病気です。 治療としては、まず小児科で診察を受けますが、目の症状によっては小児科から眼科への紹介もあります。アデノウイルスに対する特効薬はまだありませんから、症状を緩和する治療がなされます。4日ほどで症状は和らぎ、快方にむかいますが、ノドの痛みがあるため、食欲が落ち、水分も不足していますから、ノド通りのよい飲料をたっぷりと与えてください。 伝染力が強いため、患児の目やに、便などから感染します。世話をする親は、よく手洗いをして、患児のタオル等を別にします。元気になったように見えても2週間はプールを控えるようにして下さい。
ヘルパンギーナ(夏風邪)
ノドの軟口蓋に小さな水疱ができ、高い熱が出て、のどが痛み、時には腹痛や嘔吐を伴うことがあります。コクサッキーウイルスA、Bや、エコーウイルスなどによって発症します。比較的高い熱、38度から40度近い発熱があり、これが2日から3日は続きます。これもウイルスですから、特効的な薬はありません。小児科で症状を緩和する薬を処方してもらい、水分の補給につとめて下さい。 高熱で驚き、慌てる親御さんも多いのですが、過度の心配はいりません。ただ、高熱で苦しい上に、口の中が痛みますから、飲食が出来ない状態になります。水分の補給を頻繁におこない、脱水を防ぐように心がけて下さい。 熱が下がり、口中の痛みも薄らぎ、食事が出来るようになれば、治癒したと判断します。
とびひ
体のあちこちに水疱が出来て、痒がって掻いているうちにすぐにあちこちに「飛び火」する皮膚疾患です。特に幼児に多く発症し、痒がってかきむしるために、掻いたところへ次々に伝染していく夏に多い病気です。「あせも」「湿疹」「虫さされ」を、掻いたところに、ブドウ状球菌や連鎖状球菌などがつき、炎症をおこし、水疱を作ります。これが痒くて、かきむしるためにどんどん広がっていくのです。 感染力が強く、なかなか直りにくい病気ですから、小児科、皮膚科を受診して治療を受けることが必要です。治療は、抗生物質を服用し、軟膏を塗ります。シャワーを浴びて、体をきれいにし、よく乾かしてから軟膏を塗ります。包帯やガーゼで覆ったりしないで、清潔にすることを心がけて、根気よく塗って下さい。洗うといけないと思う人も多いのですが、できるだけ患部を洗い、清潔にすることが必要です。面倒がらずにしっかり洗ってやることが治療の第一歩です。完治するまでプールは止めさせましょう。 トビヒにかかっている最中に、目の周りやわきの付け根が赤くなったり、熱が出てきたりしたら、皮膚科を受診すること、むくみが出てきたら、小児科を再度受診して治療を受けることが必要になります。トビヒをひどくしない為には清潔にすることが第一です。常に手を洗い、爪きりをすることを心がけて下さい。 夏は外で遊ぶ機会も増えます。外から帰ったら、「うがい、手洗い」を、必ず実行させるようにしつけることが大切です。特に、家族の食べ物を調理し、子供の汚物に触れることが多いお母さんは、手洗いをこまめにすることが必要です。手洗いは感染予防の基本なのです。
水いぼ
症状としては、ごま粒大の小さな水を含んだいぼが、わきの下、体、腕などにできます。
まん中に少しへこみがあり光って見えるのが特徴です。ひっかいたり洋服がこすれるなどでいぼがやぶれると、中央に白っぽく見えるウイルスのかたまりがとびちって皮膚のほかの場所につき、そこにまた水いぼをつくっていきます。特に害もなく痛くもかゆくもありませんが、幼稚園などでは感染予防のため、水いぼのある子はプールに入れてもらえないといったこともあるそうです。
ピンセットでつまんでとる方法が一般的ですが、子どもには痛いし全部とってもまたできることも。ほうっておけば数カ月から1年くらいで治ってしまうので、泣かせてまでとらなくてもいいという考え方の病院が多いようです。とる場合は必ず病院で。先に麻酔シールを処方してもらい、いぼの部分にはっておくと痛みが少なくなります。